理科授業のこぼれ話、土の中の生物編

 生物どうしのつながりで、土の中の生物が出てきます。分解者の例、ということでダンゴムシやミミズ等の土壌動物が扱われます。好きな生徒もいますが苦手な生徒も多く、「キモい」とかいう声も聞こえてきます。そんなときにするマジメな話2つと、笑い話1つがあります。

 「こんなキモい生き物、いなくていいのに」なんていう台詞が聞こえてくると、ついそれらの生物を弁護すべく「そんな風に思わないで」と言いたくなる気持ちも出てくるのですが、ただ「気持ち悪い」と思ってしまう気持ち自体は他人があれこれいえるものでもありません。
 そんなときにまずするのが、『気持ち悪がったり怖がったりするのも、大切なこと』だという話です。未知のものが出てきたとき。理科の教員としては、それを不思議がって面白がって興味を持ってもらいたい気持ちが強いかと思います。それが新しい知識へ、そしてそれらが発展し文化が出来てきます。そういう意味では、普段目にしない土壌動物たちに対して、興味や好奇心を持ってもらいたいとも思います。しかし逆に、未知のものを怖がるのもまた大切です。未知のものは、もしかしたら自分に危害が加わるものかもしれません。そうした普段見慣れないものを忌避するのも、また安全に生存するためには必要な”本能”なのかもしれない。そうした話をし、「気持ち悪い」という気持ちを無理に抑える必要もないのだ、ということを説明します。
 その上で、でも学習する意義をいいます。『これらの生き物がいなかったら、ヒトも生きていけなくなる』と。生態系の中での役割を説明し、これらの生き物がいなかったら物質循環も止まり、植物、そしてそれらを食べる動物もいずれは死んでしまうことを説明します。「気持ち悪い」と思うのとは別の次元の話で、自然の中で行われていることを冷静に観て考えられる。そうしたものが理科の学習だ、ということを伝えます。

 そして最後に笑い話です。これは私の長男の実話です。ホントに怖いダンゴムシの話です。
長男がまだ2歳だった頃のこと。保育園の帰りにポロッと彼が言った怖い台詞。
「ダンゴムシ、苦かった」

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