ポカリスエットの過冷却

冷凍庫の中で静かに冷やした未開封のポカリスエット。そーっと室内に出し、振ってみました。ボトルの中で凍っていく様子が見られます。

今回の実験は、500mLの未開封のポカリスエットで行いました。底面以外が他のモノに触れないように立てた状態で冷凍庫で冷やしました。90分ほど冷やしました。

「水は0℃で凍る」と小学校の理科で学習した方も多いと思います。間違いではないのですが、水が氷になるような状態変化を起こすときには、その”きっかけ”が必要です。”きっかけ”がないと、0℃以下になっても、まるで凍ることを忘れたかのように液体のままで温度が下がることがあります。こうした現象を「過冷却」といいます。過冷却状態の水に振動を加えると、それがきっかけとなって凍り始めるのです。

これと同じ現象は、日本酒のみぞれ酒などでも見られます。またごく稀に、コンビニエンスストアの冷凍飲料コーナーでも、冷凍庫棚から取り出したときは液体で、手にとって振動を与えたときに凍る場面を見ることがあります。

本当は変化するはずなのに、過ぎてしまう現象は他に身近にあります。例えば飛行機雲や炭酸水などです。本来なら水蒸気として入りきれないだけの水分が空気中にあり、飛行機の排ガスなどの粒がきっかけとしてできた雲が飛行機雲。本来ならそこまで溶けるはずのない二酸化炭素が水に入ってしまっていたため、振ったり何かの粒が入っただけで気体の二酸化炭素が出てきてしまうのが炭酸水。これらは「過飽和」と呼ばれます。

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