生物の分類、どのようにするの?

中学1年や2年の生物の分類の時、「種子植物」の中には「裸子植物」や「被子植物」があると学習し、「セキツイ動物」の中には「ホニュウ類」や「ハチュウ類」などがあると学習します。しかし身の回りでは、例えば「益虫」「害虫」というような分類もあります。それらのことから、分類に関係する質問はよく出てきます。それらをまとめ、生物の分類についてまとめてみました。

生物の分類は大きく分けると2つです。「人為(じんい)分類」と「自然分類」です。「人為分類」は、生物が人にとってどのような意義を持つのかわかりやすくするものです。「自然分類」は生物の系統(血縁)関係から分けるものです。理科では、主に「自然分類」を学んでいきます。

「自然分類」は生物の“血縁関係”での分類になるので、血縁が近ければ近いほど、そのつくりも似ている可能性が高くなります。進化の中で、様々な種類に枝分かれしてきたため、と考えると理解しやすいでしょう。ただ「他人のそら似」という言葉もあるように、一見似ていても別のなかまだった、ということもあります。最近では、生物の設計図とも言えるDNAを調べることで本当の“血縁関係”もわかるようになってきました。今まで考えられていたものが実は間違っていた、ということもありました。DNAによる分類は、今まさに様々な生物で行われています。

「自然分類」に基づいて生物を表すとどうなるでしょうか。中学校では生物の分類を「○○類」のような呼び方をすることが多いですが、科学の世界では分類の段階を表す順として「界・門・綱・目・科・属・種(しゅ)」を用います。具体的に、街路樹や公園で見かけるサツキツツジで見てみましょう。
   植物界>被子植物門>双子葉植物綱>ツツジ目>ツツジ科>ツツジ属>サツキ(種)※1

上から順にみていきましょう。生物を一番大きく分類すると、まずは「植物」「動物」と分けられそうです。※2「植物」をさらに分類すると、「種子植物」「シダ植物」などに分けられます。「種子植物」はさらに「被子植物」「裸子植物」に分けられ、「被子植物」はさらに「単子葉類」と「双子葉類」に分けられます。中学校理科の植物の学習では、この辺りまで学習しますね。
この先も、もっと細かく分けることができ、最後には、生物の種類を表す「種(しゅ)」※3という単位まで分けられます。

この分類の中で最後の2つ、属と種の名前をラテン語で書くと、「Rhododendron indicum」となります。このように、最後2つの名前をラテン語で書いて種を表す方法を二名法、といいます。この名前を「学名」といい、全世界共通で用いることができるのです。

 ※1:説明をわかりやすくするため、一部省略や最新の分類法に基づいていない部分があります。
※2:生物をこの2つに分類するのを生物二界説、といいます。現在ではカビやキノコなどの「菌界」なども合わせ5~8界程度に分類したり、界の上にドメイン(超界)という分類をおく場合などがあります。
※3植物の「タネ」のことは、理科では「種子」と書きます。「種(しゅ)」と書いたときには、その種類のことを表します。なお生物の種を表すとき、科学の世界ではカタカナで種名を書きます。

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