理科で育てたい力~理解しニセ科学に惑わない+愉しむ~

理科の授業を通じ、どんな力を身につけさせたいか。理科の教員なら自分なりの「育てたい力」を考えておきたい。そんな話を聞きました。私の場合には、その力は2つ。それに加え理科に対する姿勢1つの計3つです。

まず1つはニュースなどの情報を理解する力。
例えば地震が起きたとき。震度や震源といった情報が伝えられます。また原子力発電所の事故で放射線や放射能などといった情報も伝えられました。こうした情報を正しく理解できないと困った事態になることがあります。誤って理解による流言飛語がおきかねません。遺伝子組み替え食品も正しい理解がなければ、正しい判断が難しいでしょう。環境問題のことも、正しく理解しないことには解決に結びつく行動がとれません。義務教育卒業までには、一般のニュースで流れる程度の情報は正しく理解できる力を育てたいと考えています。

2つ目はニセ科学に惑わされない、だまされない力です。
「水は何で知っている」、水素水や血液クレンジング等、科学的に考えて明らかにありえないことや怪しげな情報は山ほどあります。こうしたものを盲信してしまったり、正しく考えることができないのは問題です。大病をしたときに効果が全く期待できない代替医療にのめりこみ、正しい治療ができなくて死期を早めるような場合もありえます。ただ実はこの力の育成は、理科の指導要領に直接は出てきません。では他の教科であるか、といわれれば、こちらもありません。関連することとしては、技術科での情報リテラシー教育、家庭科での一般的な消費者教育、社会科での法的保護などはあります。しかし直接的なニセ科学対策は指導要領にはありません。だからこそ、私はここに力を入れていきたいと考えています。

そして最後は力、というよりも態度、姿勢です。理科のおもしろさ、愉しさを知ってほしいということです。これは「知ってほしい」という私の希望、願いです。科学的な知識をもっていると、周りにおもしろいことはたくさんあります。是非それを伝えたい。

もしこの文章をお読みの理科の先生がいらっしゃいましたら、理科の授業で何を育てたいかお聞かせください!(下記コメント欄をお使いいただけます)

コメント

タイトルとURLをコピーしました