定期考査、問題数が多いほど「いいテスト」?

中間や期末などの定期考査の問題。

職員室で話をしていると、問題数が多いほど「頑張って問題を作っている」という雰囲気を感じる事がある。まんべんなく試験範囲全てから細かく問題を出し 時間をかけて採点をするほど、より正しくその生徒を評価できている、と暗黙の前提があるように感じる。(さらには時間を費やしてその先生自身が「頑張っている」という評価も?) でも本当にそれが正しい評価法なのだろうか?

テストの科学 池田 央 著(日本文化科学社)には、評価について様々な理論的な説明が書かれてあった。「評価は何に対して行うのかという目標を明確にしなければ意味がない」という一文は、まことにその通りで、何の目的のために「問題数多く出」しているのかを考えなければならない。 極端な話、一問一答のような問題を数を1題1点で100問出したとき、測定できるのは「暗記力」かもしれない。そしてそのように出題することで「暗記」が大切と、生徒に伝えていることになる。果たしてそれが考査の目的なのかどうか。

私は、理科の考査問題は「考える力」を測るのが第一の目的だと考える。その生徒自身がどれだけ勉強に取り組んだか、なども付随はしてくる。しかし「頑張りの測定」が考査の主目的ではないと思う。とすれば一問一答のような問題では無く、じっくり考えて答えを出すような問題が大切だという結論になる。考査後に採点に時間を多く費やすよりも、考査作成時にじっくりと考えて問題を作成する(結果として問題数も精選され、採点は短くなる)方がよいのではないだろうか。

ここ数年はそのように考え、考査に取り組んでいる。
まずは前回の考査直後にすぐに次の考査の問題のフォーマットを保存しておく。授業を行いながら、「あ、このことを出題したいな」と思いついた事はすぐさまメモをとる。詳細を忘れないうちにメモを元にパソコンで問題を作成する。そうすると大問1つ分くらいできあがる。授業をやってすぐつくると、思考力を問う問題も臨場感もってつくりやすい。いざ考査が近づいてくると、そうした問題がある程度ストックされている。あとは問題数や出題バランスなどを調整すれば、考査作成もさほど苦にならない。問題数も、25問なり20問なりと数を先に決めてつくっている。一問あたり4点なり5点と統一する。また入試問題のように、記号問題を多くする。そうすることで採点作業も早く、ミス無く行える。
初めのうちは、問題数をそこまで減らして大丈夫か、記号問題ばかりで大丈夫か心配もあった。しかし極端に平均が高くなることも、そしてまた普段の生徒の様子からみる実力との乖離も見られなかった。むしろ能力の高い生徒からは「今回の問題、おもしろかった」いう話を聞き、低めの生徒も「選択肢だから、はじめからあきらめたりしないでやれた(考える気になれた)」という評価も得た。

たかがテスト、されどテスト。今の段階では上記のように考えているが、経験を重ねて考えをさらに深めていきたい。

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