シャガの花

アヤメ科アヤメ属 Iris japonica

あまり聞き覚えのない方も多いかと思いますが、見れば”ああ、あの花か”と思い当たるのではないでしょうか。アヤメの仲間で、花のかたちもよくにています。
ぱっと見、どれがおしべでめしべか分かりにくい形をしています。パッと見て、目立つのは、外花被片(がいかひへん)と内花被片(ないかひへん)、めしべです。それぞれの被片を、園芸用語では下弁・上弁といいます。普段おしべは見えない位置にありますが、めしべの陰に隠れています。
おしべ、めしべをそれぞれ見ていくと、おしべは全部で3つ、めしべは上から見ると3つに分かれていますが、たどっていくと一つのめしべが上部で3つに裂けている構造であることが分かります。先端のひらひらした部分は柱頭ではありません。この部分は花柱枝(かちゅうし)と呼ばれ、おしべを隠して保護したり、蜜を目指して花の中に入ってくる昆虫にうまく花粉がつくような”トンネル”を作る役目を果たしています。柱頭はこの部分の裏側(トンネルの天井)にあります。子房の断面では胚珠が見えます。しかし日本のシャガは3倍体のため、種子が出来ません。日本には中国から渡来したといわれていますが、そちらのシャガは種子もできるそうです。

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