インフルエンザや新型肺炎って、菌じゃないの?

冬の時期のふとした質問です。「インフルエンザって、菌じゃないんですか?」
2020年2月くらいには、「新型肺炎ってウイルスみたいですが、菌とは違うのですか?」という質問もありました。

菌(真菌)、細菌(バクテリア)、ウイルス。おそらく多くの方にとっては、どれも『目に見えない小さなモノ(生物)』で、病気などを引き起こすやっかいなもの、というイメージでしょう。または味噌や醤油をつくるものとか、おなかに優しいヨーグルトや納豆、カビやキノコ。生徒にとっても、漠然とイメージ出来ているけれど、どう違うのかわからない、どれも同じモノ、という認識のようです。

どこまで詳細に解説するか迷う話ですが、以下は中学生を意識した解説です。
全ての「生物」は、細胞からできている。中学校でも習います。ウイルスは、そもそも細胞で無く、生物ではありません(と、されています)。それに対し、菌、細菌は細胞から出来ている生物です。そこが大変に大きな違いです。

生物は、DNAやRNAという物質でその設計図(遺伝情報)を持っています。ウイルスもまたDNAやRNAを持っています。無生物なのになぜ?という疑問が出てきますが、その辺はとても長い別の話で、また分かっていないことも多々ありますのでおいておきます。
いずれにせよ、ウイルスは他の生物の細胞に入り、そちらの細胞を利用して、自身を増殖させます。
お薬として出る「抗生物質」は、その漢字にも含まれるように、”生”物に対”抗”する薬です。細菌などの「生物」には効きますが、「生物ではない」ウイルスには効きません。
またマスクについて考えるには、それぞれの大きさを知る必要があります。多くのウイルスのサイズは0.05~0.5μm程度ととても小さく、普通の(光学)顕微鏡では見られません。多くの細菌は1μm程度です。大気汚染で話題のPM2.5は、2.5μm前後です。花粉は30μm程度。普通の不織布マスクで遮ることが可能とされるのが5μm以上です。
菌(真菌)と細菌(バクテリア)の違いは、また別の所でまとめたいと思います。

詳細は、下記などにまとまっていたので参考にどうぞ。

今さら聞けない 「ウイルスと細菌と真菌の違い」
https://www.med.kindai.ac.jp/transfusion/ketsuekigakuwomanabou-252.pdf

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