なぜ動脈血と静脈血では色が変わる?

ヒトの血液の学習での質問です。「なぜ動脈血と静脈血では色が変わるのですか?」

ここで出てくる動脈血とは酸素を多く含む血液、静脈血とは二酸化炭素を多く含む血液のことです。酸素を運ぶ時、その多くは赤血球によって運ばれます。血管から先へ運ぶときには、赤血球は血管から先には出られないため、組織液(血管から染み出た血しょう)が運びます。赤血球は、その名の通り赤く、血液が赤いのも赤血球があるためです。ではなぜ赤血球が赤いのかと言えば、ヘモグロビンという色素があるからです。そしてこのヘモグロビンが酸素を運んでいるのです。ヘモグロビンは鉄の原子を含んでいて、体に鉄分が不足すると必要な分のヘモグロビンがつくれず、そして貧血になってしまうのです。

話題が少しずれました。なぜ動脈血は新鮮な赤い色(鮮赤色せんせきしょく)をしていて、静脈血は黒ずんだ赤い色(暗赤色あんせきしょく)をしているか。それはヘモグロビンが酸素と一緒になっていると鮮赤色(オキシヘモグロビン)、そうでないと暗赤色(デオキシヘモグロビン)だからです。

カエルの解剖を行い、人の呼気や酸素ボンベなどで肺を膨らませると、風船のようなカエルの肺の表面に走っている毛細血管の色が暗赤色から鮮赤色に見事に変わる様子を見ることができます。

少し前に「血液クレンジング」という医療(?)が話題になりました。血液を一旦外へ出し、オゾンにふれさせて血液を”洗浄”し、また体内に戻すもののようです。その効果として「黒ずんだ血液が新鮮な赤い色に!」とありましたが、これは要は酸素の同素体のオゾンにより、静脈血が動脈血になっただけの話です。少なくとも色の変化については、クレンジングなどしなくても普通に呼吸すれば十分だと言うことになりますね。

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