2005.3.28.入院生活六日目<2005.3.28.記>

朝4時半頃目が覚める。消灯時間が21時でしばらくすると寝る生活。入院前は23時頃に寝て5時半頃に目が覚める生活だったので、格段に早く目が覚めたわけでもないだろう。よく眠れた。5時半頃、採血。昨日の点滴もこの位の時間から行っていた。なぜこんなに早い時間に行うのだろうか。看護士の仕事のすいている時間だからだろうか。その後、完全に平らなベッドで座る姿勢になってみる。背中が突っ張って痛い感じがあるが、何とか起きあがれた。昨日はできなかったことがまた一つできるようになった。車いすに乗り換え、トイレへ行く。尿器などでなく、自分で用を足せるのがこんなにうれしいとは。乗ったついでにフロアを一周。およそ200mほど?だろうか。しかし腕だけで動くのはかなり疲れる。腕力がつきそうである。ふらふらしていたところ、看護婦から「あれ、河野さん、お通じの時以外も車いすは大丈夫って言われました?」と声をかけられる。そういえばそうだった。少しおとなしくしよう。のどが渇いたので、インスタントコーヒーにお湯を入れに行くのだけ、許可してもらう。お湯を汲んだはいいのだが、そうすると片手が埋まってしまった。残った片手でまっすぐ進むのが難しい。ジグザグ走行になってしまう。病室に戻るのにはずいぶんと時間がかかった。乗ってみないとわからない実感だ。

少しずつ日常へ<2005.3.28.記>

朝食後、点滴用に刺していた管をはずす。化膿止めの点滴も昨日で終わりだそうだ。また一つ解放された気分。そういえば点滴が終わった後、透明の液体を毎回流し込んでいた(写真)。
てっきり消毒か何かかと思っていたのだが、聞くと「針やチューブの中で血液が固まってしまうのを防ぐ物」だそうである。”ヘパリンNaロック”と書いてあり、よく見ると”ブタ小腸粘膜”とも書いてある。どのようなものか興味がわくが、これも退院したら調べてみようと思う。
「コルセットが木曜日にできますから、それまではお通じの時 だけ 車いすに乗ってみてくださいね。」と看護婦に念を押される。ううむ。少し様子見ながら動くことにしよう。病室の洗面台で歯を磨き、ぬらしたタオルで顔を拭く。手術後、自分で行うのは初めてである(歯磨きはそもそも久しぶり)。とても気持ちがよい。いろいろなところにつかまり立ちしながらいすに座っての作業となったが、また一歩日常に戻りつつある事を実感。

見舞客<2005.3.28.記>
なにやらたくさん医師が来た、と思ったら、教授回診だ。主治医が症状を簡単に伝え、「そうだね、しっかりやってね」程度のことを言い、次の患者へと移る。大学病院であることを改めて思い起こす。
昼食後、新しい痛み止めの薬を渡される。今まで飲んでいたロキソニンに加え、ノイロトロピンを飲むことになる。現状では、背中が突っ張るような動きをしない限り痛みは気にならないので、なぜ今追加されたのだろう。次に医師が来たときに聞いてみることにする。
16時前、リハビリ担当の方が来る。今までは挨拶程度の話しかしなかったが、少しだけベッド上で筋肉を動かしてみる事を行ってもらった。足首から先を曲げてまっすぐにする事と、膝の下に枕などを置き、下向きに力を入れる運動を行ってくださいとのこと。コルセットが出来るまではやはりベッド上からあまり動いてはいけないらしいが、出来たらすぐに本格的にリハビリできるよう言われた運動をしっかりやろう。午前中、せっかく車いすの乗れて動けていたのに「トイレの時だけ」と釘を刺され意気消沈していたが、また少し明るく思えてきた。
その後友人や妻が見舞いに来る。動けない身にとって、たわいのない雑談が非常にありがたい。今まで、何にもしなくていい時間が欲しいと思っていた。しかしそれは、何もしなくていい時間を選択することできるのがいいのであって、それが強制になるのはとても辛い物である。気を紛らわせるのにも、見舞客というのはありがたいものだとしみじみと感じた。

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