馬尾神経腫瘍の記録の抜粋です。各日ごとの記録から、馬尾神経腫瘍に直接関わる部分のみ抜粋しました。詳細な記録は、それぞれの日の記録をご覧ください。
以前、馬尾(ばび)神経腫瘍という病気になったときの記録です。手術後十数年経ちました。現在、その後の後遺症などはほぼありません。当時、約10万人に1人くらいの珍しい病気で、情報がほとんどなく、ネットでの数名のブログ記録が大変に参考になりました。
http://www003.upp.so-net.ne.jp/nukunuku-neko/6-link.html に、その時に参考にしたリンクもあります。
諸事情で一旦は閉鎖したブログからの移行になりますので、一部前後関係が乱れたり、入院中の書きこみそのままなのであまり推敲などしていない部分があります。あくまでも病気については素人の書く内容なので、意図せず間違いが書かれている場合もあります。リンクも途切れている部分もあるなど、古い情報になりますが、それでも何かしらのお役に立てる場面もあるかと思い、ここに記録を残しておきます。その旨、お含み置きください。(2019.10)
馬尾神経腫瘍<2005.1.30.記>
数年前から、体調の悪いときに左足~腰にかけて神経痛がありました。当初、ちょっとした椎間板ヘルニアという診断。普段から重い荷物を持って歩いていることも多いから、そのせいだろうと勝手に納得していました。ところが最近になり、体調とは関係なく痛むことも多くなり、改めて受診し、MRIにて撮影したところ、馬尾神経に腫瘍ができていたのです・・・。
近況<2005.2.3.記>
ロキソニンという痛み止めの薬を毎食後飲んで痛みを止めています。もし飲み忘れたり、お腹がすいてきたりするぐらいの時間になると足に神経痛がでてきます。薬を飲んでいても、くしゃみや咳、大声での笑いなどが響いて足が痛みます。これが辛い。
天気が悪いと体が痛む?<2005.2.17.記>
昨日、東京地方は朝から雨のどんよりとした天気。朝起きたときから足~腰にかけてが痛む・・・というよりしびれるような痛み。脳と脊髄は、一つの袋のような物で、髄液に満たされているそうです。手術の時、背脊髄につながっている馬尾神経をあけると髄液が外へ出て圧力が下がり、頭痛などを起こすことがあるのだそうです。 もしかしたら天気が悪くて低気圧だったせいで、昨日は痛みがでたのかなぁ・・・なんて考えましたが、真偽のほどはさていかに。
2005.3.23.入院生活一日目<2005.3.23.記>
主治医より現在の状況の説明を受ける。外来で受けていた話や、以前の記事で紹介したHPで得た情報と一致。明日は体勢を変えたレントゲンや髄液採取、造影剤を入れてCTの撮影を行う模様。そして明日の17時頃に手術前の最終確認の説明を聞くことになる。
2005.3.24.入院生活二日目
今日は脊髄造影のレントゲンとCTを行った。朝食後、禁飲食で午後から検査であった。横になった状態で背中を出し、腰のあたりに局所麻酔。この注射が痛かった。次に脊髄に注射をし、髄液を抜いたり造影剤を入れたりしたが、こちらはあまり感じなかった。レントゲン撮影だが、ふと横を見ると動画が写っている。おそらく微弱なX線を放射しつつ、それを受像したのを連続的に再生しているのだろう。それで姿勢が固まったら撮影を行う。腰のあたりから脊髄に造影剤を入れたため、上に造影剤が回るのを待つ。どうするのかと思っていたら、横になっている台が頭が下になるように傾いた。ずり落ちないように台の横についている手すりにつかまった。数分して動画レントゲン(勝手に銘々)で見てみるが、腫瘍部分より上に造影剤がなかなかいかない模様。腰をゆすったり、さらに10分ほど置いてまた撮影。でもあまり上にいかなかった。腫瘍がかなり大きく、通せんぼしているのだろうか。次にCT。
外来の時から診察していただいている先生より明日の手術について詳細な説明。現状は、上から二つ目の腰椎付近に3~5cmほどの腫瘍がある状態で、腫瘍が他の神経を圧迫しており、一番大きくなっているところでは、脊髄の通っている部分の断面の7割程度が腫瘍に占領されており、他の神経が隅に追いやられている状態であるらしい。先ほど撮影したCT画像などを見ながら説明された。腫瘍がなぜできてしまうかは、そのきっかけなどはよくわかっていないらしい。ネットなどで調べてみると、この馬尾神経腫瘍は10万人に1人程度の頻度であるとのこと。つまり東京都で約100人、日本全体で約1200人ということか。先生の話によると、MRIの普及により馬尾神経腫瘍も多く見つかるようになったそうだ。レントゲンでは腫瘍は全く写らないため、僕も最初は「椎間板ヘルニア気味なのでしょう」で済まされていた。他の方も、同じような診断を受けたものの、どうも様子がおかしくMRIで発見というパターンが多いようである。しかしこの腫瘍による痛みはいつもあるのでなく、そのときの体調に左右される面も多い。僕の場合は、天気が悪くなると痛みが強かった気がする。普通の時には、けろっと痛みがないことすらあった。そんな症状から、昔は足の痛みはヒステリーの一種だと考えられてしまい、本人は濡れ衣を着せられていたこともあったそうである。また今日は、麻酔科、リハビリ、コルセット作成の人などが相次いで来て、説明や測定を行っていった。21時より手術のため、また禁飲食。いよいよ明日だ。早めに寝よう。
2005.3.25.入院生活三日目朝、いよいよ手術<2005.3.25.記>
いよいよ手術へ向かう。普通に(ただしオペ着を着て)歩いて手術室へ。全体的には白を基調としているが、ステンレスの部分も多く、雰囲気としては(見たことは無いが)食肉工場のよう。手術室内は少し肌寒かった。全体がエメラルドグリーンを淡くしたような色で、天井からは、いかにもこれから手術するといわんばかりの丸く大きなおぼん状の照明がついている。丸い時計がついていて、時間が9時前をさしていた。これから麻酔しますよと言われ、新しい点滴を入れ始めた。1,2秒して周りの景色がにじんできたなぁ、と思ったところで記憶がとぎれた。
手術が終わった。「終わりましたよ」という旨の言葉をかけられた。麻酔から覚めた直後はもっとぼんやりした状態なのだと思っていたが、割とはっきりとした目覚め。終電に乗って座席でで5分ほど、うとうとしていたら車掌に肩たたかれて起こされたような感じ。5時間も経っていたとは。再度ストレッチャーに乗せられ、病室に戻っていく。”リカバリ室”に一晩いることになる模様。足には圧迫具をつけ血流をよくしているようだ。適度に締め付けることで血圧を高め、流速を上げるのだろう(多分)。それ以外にも足の先を交互に圧迫する道具がついている。スリッパを半分はいているような感じがするのだが、数十秒に一回ずつ交互に足を締め付ける。マッサージされているような気分。いわゆるエコノミー症候群を防ぐらしい。ふと気がつくと、尿道に尿を出す管(カテーテル)が入れてあった。手術後の姿勢であるが、背中を手術したのだから、しばらくうつぶせで過ごすのかと思っていたら、仰向けである。手術のやり方により異なるらしい。今の段階では、背中と腰の中間あたりが押されているようなじんわりとした痛み。足は両方ともしびれている。手術時の麻酔によるものだろうか。やや左の方がしびれが大きい。ただ足の指や足全体は動かせるのにホッとする。手術前の説明でもあったように、腫瘍化した神経が支配している筋肉の動きなり感覚なりがダメになるのはもちろんのこと、腫瘍をはがすにあたって近隣の神経へも多少なりとも影響があるからだ。最悪、下半身不随になることも覚悟はしていた。
術後、麻酔による影響か、非常にのどが渇く。体全体としてみれば、点滴で水分補給をしているので足りているのではあろうが、のどの粘膜が非常に乾いている感じがする。しかし今の状態は酸素吸入を行っている状態であるし、また腸の動きも止まっているらしい。腸の動きは、聴診器を何カ所かに当てて音を聞くことで確認している。盲腸などの手術の後、おなら(看護婦は”ガス”という言い方をしていた)が出たら教えてくださいね、と言われた人も多いだろう。今まで、てっきり腸管がしっかりつながっていることの確認でおならなのかと思っていたら、(それもあるのかもしれないが)腸の運動の確認の意味であったらしい。今回の僕の手術では、消化器は全くいじっていない。それなのに腸の運動を確認するのは、おそらく消化器の運動も麻酔により止まってしまうからなのだろう。
しばらくし、手術を行った医師が来て説明をする。腫瘍は良性だったそうである。ホッとする。切除した腫瘍を見られるのかと尋ねたが、病理に全部出してしまったのでないとここと(手術中、切除した腫瘍の細胞を顕微鏡などで調べ、悪性か良性か判断する。そういった検査を病理部門で行った)。腫瘍は、髄内で髄液に浸った状態と取り出してからで大きさが少し違うらしいが、おおよそ数cmだったらしい。感じとしてはゼリー状の物だったようだ。かなりの大きさだったらしく、元々は一本の細い神経が膨らんでできていたものの、他の神経にもべちゃっとくっついていて、それを一つ一つ手術用の顕微鏡下ではがしていく作業に時間がかかった模様。腫瘍はほとんど取ることができたそうだが、完全に全部取ろうとすると他の神経を痛めてしまうおそれがあるため、腫瘍の薄皮一枚くらいは残った物もあるらしい。それがまた増殖し、腫瘍となるかどうかはその後の経過を見ないとわからないそうである。数年間は、年に一回程度MRIの撮影を行うとのこと。何となくすっきりしない気がしないでもないが、それでもまずは腫瘍が無事取れたことにホッとし、うれしく思う。
しかしのどがすごく渇く。酸素吸入も、水を通しているので湿度はあるのだろうが我慢できないくらいの状態である。またお腹もすいてきた。術後はもっとしおれた状態になるのかと思っていたら、ずいぶんと元気な感じがする。また足のしびれが少し強くなってきた気がする。手術の麻酔がどんどんと抜けてきているせいかもしれない。
ボンベの酸素が無くなったので吸入をはずすとのこと。てっきり無菌に近い状態にしたりするため、しばらく吸入装置をつけたままだと思っていたので拍子抜けのような気がする。体温を測ると少し熱が出て、37.6度。氷枕を使うことになる。
看護士の動きを見ているといろいろな仕事があるのだと思う。このリカバリ室に来てから、検温が1~2時間に一度ある。それ以外にも、血圧や脈拍測定、点滴に食事介助、排尿等処理。医師への連絡に個別のナースコール対応。
19時頃、ようやくおなかの音を確認し、水を少し舐められる。ほんの少しであったがとてもありがたい。点滴も気がついたら新しいものへ。全体的な痛みで全然気がつかなかったが、どうやら背中にドレン(ホース)がついているらしい。手術で切り開いた筋肉層の中まで細いホースが入っていて、膿や余分な出血を外に出せるようになっているようである。そこから逆に雑菌が入ったりは・・・しないようにはなっているのだろう。
尿意を催し、少し外へ出そうとするとカテーテルの横から漏れてくる。看護婦に伝え、様子を見てもらう。すると尿をためる容器でチャプチャプ音が。わざわざ力んで出さなくても、カテーテルがぼうこうまで入っているので自然に出てくるそうである。便利なのだが・・・不思議な気分である。
夕飯は重湯ととき玉汁(豆腐入り)?、イチゴミルクセーキ、リンゴジュースだった。どれも寝たまま横に向き、ストローで飲む。いつものくせで一気に食べてしまいたいが、どうもおなか(消化器)が重く、動いていない感じがする。ここはゆっくりと味わって?食べることにする。
氷枕を一旦ははずすが、その後の検温で37.8度。手術後は熱が出ることが多いらしい。体の自然な防衛反応なのだろうか。また氷枕を使い、熱を下げることになった。今度は両脇にも凍った冷剤(飲むゼリーのパックを凍らしたような物)をはさむ。体が一気に冷やされた感じがする。足のしびれはかなり収まり、右はほとんどなく平常の感じになってきた。しかし左足は、慣れない人が長時間正座をした後のようなしびれがとれない。ふくらはぎから下全体にかけてである。右足が治った分か、さっきよりしびれているような気もするくらいである。20時過ぎ、急に背中の痛みが強くなる。手術で使った麻酔がここいらで完全に切れたのだろうか。先ほどまでは頭も完全に冴えていたが、すこし熱のせいかぼんやりした感じがする。
この夜は非常に長かった。背中の痛みと左足のしびれが気になって寝られない。一番長い夜になった。昨日たくさん寝ておいてよかった。
2005.3.26.入院生活四日目<2005.3.26.記>
結局、10分くらい眠ったのを何回か繰り返していたら朝になった。それでもあまり辛くないのは、手術前日にたくさん眠っておいたおかげか。朝食は7時40分頃。おなかが少し痛くてあまり食欲がない。昨日の手術後の方が体調がよい感じがする。30度ほどにベットを起こすが、とても背中が痛い。朝食後、尿道につながったカテーテルをはずす。はずす時、想像通りの引っ張られるような痛みがある。異物感が無くなるのはうれしいが、こんなに背中が痛むようできちんと尿器(しびん)を使えるのだろうか。朝食後ベットを45度まで起こす。少し痛いが、何とか耐えられる。
11時頃、リカバリ室から元の病室へ戻る。ベッドを55度くらいまで起こした。昼食からは普通の食事に戻った。病室は、化膿止めの点滴を行った。今までに昨日2回、今日は一回目。手術したところの化膿が起こると非常にやっかいな事になるのは容易に想像がつく。心配されていたことが髄液の漏れである。脊髄は、脳の一端が突き出た物と考えた方がいいらしい。脳は髄液で満たされているが、脊髄にも同じように髄液で満たされている。その液体の中に、脊髄、そしてそれにつながる馬尾神経は浮いている(というか、守られている)状態になっている。手術中、ある程度の髄液は失われている。そのため昨日一日は枕もせずに完全に水平状態で、必要以上に髄液が流出するのを防いでいた。今日ベッドの角度を上げるのも、その都度(髄液が手術部位から外へ流れ出てしまって)頭がいたくないか確認を行った。しかも髄液が漏れると化膿も起こりやすくなるらしい。場合によっては漏れを防ぐための再手術も行う事があるらしい。
さらに今回、背骨を取ってまたはめると言うことも行っている。背骨は背中側に出っ張りがあるが、腰骨の上から2番目の出っ張りを両側から切って取り外し、腫瘍を取った後またはめた状態になっている。もちろんただはめただけではずれてしまうので、時間が経つと体と同化する(溶ける?)ような材質でできたくさびみたいなもので止めたらしい。
17時過ぎに夕飯。ベッドを60度くらいまで起こした。動ける範囲が広がっていくのがわかる。目に見えて回復しているようでとてもうれしい。髄液の漏れも何とか大丈夫そうだ。あれこれ動いてみた結果、背骨を前後に動かすと激痛が走るが、比較的横へ動かすのは大丈夫である。ベッド上で横を向いたままずりずり動く。「今日が痛みのピークですよ、これを乗り切れば楽になりますよ」との医師の言葉が励みになった。
2005.3.27.入院生活五日目。回復順調!<2005.3.27.記>
6時前だが、化膿止めの点滴を行う。7時過ぎ、朝食を食べるためベッドを起こしてもらう。起きる姿勢も大分楽になった。朝食後、横を向きながら足を下におろし、ベッド横に腰掛ける形で起きあがる。手の支えなどが必要だが、何とか角度80度くらいまで(背がどこにもつかず)起きられる。背中から腰にかけて痛み。切った部分の痛みか、それとも使っていなかった筋肉を急に使った筋肉痛か。10時過ぎ、ベッド横に完全に普通に腰掛け、スリッパを履き、足を地面についた。立つのはまだ痛みがあって恐くて立てない。昼食後、背中についていたドレンをはずす。ドレンの先を見ると、今までに出てきた血液や、血漿のような透明な液体がたまっていた。今までこのドレンが背中についていたため、ベッドにつながれているような気持ちであった。取るときに少し引きつるような痛みがあったが、取った後は解放された気分である。
夕食後、勝手なリハビリでベッドサイドでつかまり立ちをしてみる。するとうまく立てない! しびれのある左足が、力は入るのだが加減がよくできない、というかブルブルすると言うか。色々さわってみると、左足はふくらはぎの外側やかかと付近にほとんど感覚がない。これが収まって行くものなのか、それとも後遺症として残る物なのか、様子を見極める必要がある。
21時前、トイレに行きたくなる。看護士に言ったところ、「では車いすに乗ってみましょう」 初めての体験である。思ったように動く・・・ところまでは行かないが、2日間自分では動けない生活だった身にとって、思ったところへ動けるのは実に爽快である。足の具合、やはり右足でのケンケン状態が無難のようだ。左足が動き方を忘れたような感じである。ゆっくりリハビリしていこう。
2005.3.28.入院生活六日目<2005.3.28.記>
5時半頃、採血。その後、完全に平らなベッドで座る姿勢になってみる。背中が突っ張って痛い感じがあるが、何とか起きあがれた。朝食後、点滴用に刺していた管をはずす。化膿止めの点滴も昨日で終わりだそうだ。
「コルセットが木曜日にできますから、それまではお通じの時 だけ 車いすに乗ってみてくださいね。」と看護婦に念を押される。病室の洗面台で歯を磨き、ぬらしたタオルで顔を拭く。手術後、自分で行うのは初めてである(歯磨きはそもそも久しぶり)。とても気持ちがよい。いろいろなところにつかまり立ちしながらいすに座っての作業となったが、また一歩日常に戻りつつある事を実感。
昼食後、新しい痛み止めの薬を渡される。今まで飲んでいたロキソニンに加え、ノイロトロピンを飲むことになる。
16時前、リハビリ担当の方が来る。少しだけベッド上で筋肉を動かしてみる事を行ってもらった。足首から先を曲げてまっすぐにする事と、膝の下に枕などを置き、下向きに力を入れる運動を行ってくださいとのこと。コルセットが出来るまではやはりベッド上からあまり動いてはいけないらしいが、出来たらすぐに本格的にリハビリできるよう言われた運動をしっかりやろう。
2005.3.29.入院生活七日目<2005.3.29.記>
手術で切った部分の背中の痛みも、切った痛みから突っ張るような痛みに変わってきて、体をねじる姿勢も少しずつできるようになってきた。左足の感覚も、全体的なしびれは無くなってきて、大分落ち着きつつある。逆さにしたボールペンでさわって感覚を調べてみた。右足はどこも異常は感じない。左足は、太もも付近はほぼ正常。外側から後のふくらはぎ付近がまったく感覚がない。内側のふくらはぎは比較的普通に近い感じである。足首から先は、全体的に突っ張った感じがする。やはり外側がにぶく、内側の方がさわった感じがはっきりしている。動きに関しては、ふくらはぎより下が全体的に突っ張った感じで動かすのに違和感を感じるが、動かないところは無いようである。手術で切除した腫瘍だが、正式には硬膜内髄外腫瘍、というらしい。馬尾神経に出来たものでも、何が由来でできた腫瘍なのかがその後に影響をするようだ。
朝食後、カーテンを閉めてこっそり立ってみる。立つことはできた。しかし左足が突っ張り、まるで杖になったような感じである。力は入るが、立った感覚がしっくりこない。歩くのはおそらく無理であろう。しばらくして医師が来る。しびれや痛みの有無を確認。普通にしている限りでは、しびれや痛みはもうほとんどない。「(コルセットができるまで)焦ってもいいことないから、今のままいきましょう」と言われる。ここ2日ほど、血圧を測る回数がめっきり減った。それまでは一日数回測っていたのだが、今は一日に一回くらいだろうか。あとどのくらいで退院できるのだろうか。
2005.3.30入院生活八日目<2005.3.30.記>
10時過ぎ、新たな医師が様子を尋ねてきた。足のしびれや痛みはほとんど無く、背中が突っ張ったときに軽く痛む程度と応える。
2005.3.31入院生活九日目、コルセット<2005.3.31.記>
体の状態も3日ほど前から変化無く、足のしびれも背中の痛みももうほとんど無い。あるのは左足の違和感ばかり。早く歩いたりしたい。今日は、コルセットができあがってきた。手術後の回復も順調で、ベッド上の生活が時間をもてあましていて仕方なかったのでとても待ち遠しかった。まずはフロアを一周する。少し息が切れた。一週間以上歩いていなかったせいで、かなり筋肉や循環器系も弱っているのだろう。少し休んだ後、エレベータを使い違うフロアの売店まで行き、少しばかり雑誌の立ち読みをする。10分弱であったが、かなり疲れて血が体全体にうまくまわっていないようなそんな感じがする。急いで病室に戻る。しばらくはこんな感じでリハビリを行っていくのだろう。
2005.4.1.入院生活十日目、通常歩行<2005.4.1.記>
昨日コルセットをつけて久しぶりに歩いたせいか、股関節や尾てい骨のあたりが少し筋肉痛のような痛み。10分に満たない程度しか歩いたりしていないのに少々情けない。
外来の時から世話になっている医師に歩き方を診てもらう。昨日歩行器を使って歩き始めたばかりだが、もう歩行器無しでも歩けるなら歩いてみてください、とのこと。昨日よりは幾分筋肉の疲れも少ないし、かなり順調に回復が進んでいるようである。
2005.4.2.入院生活十一日目<2005.4.2.記>
今日はコルセットをつけた状態で歩行器無しで院内を歩いた。エレベータに乗り違うフロアの売店に行ったりトイレに行ったり、平面をゆっくり歩くことはだいぶできるようになった。しかしやはり左足をかばうような歩き方になるし、階段はまだ恐くて試せない。10分くらい立って歩いてベッドに戻ると、少し疲れた感じがする。
背中の切った部分にあててあるガーゼ(実際にはシールとガーゼが一緒になったようなものみたいだ)も、数日前に交換したままである。前の交換の時も、数日の間があった。聞いてみると、最近の看護では復活したばかりで弱い組織を殺してしまわないよう、消毒はかなり弱めになっているらしい。消毒という言葉自体もあまり使わないらしい。また外からの刺激にも慣れるよう、切った所などにも割と早めからシャワーなどを浴びるようにするらしい。早く風呂に入れるようになりたい。
就寝前、看護士が来た。外来の時からかかっている医師が「歩行具無しで行きましょう」との事で昨日あたりから歩行具無しで歩いていたのだが、主治医がその話を聞いていなかったのか、主治医からは看護師にその指示が行っていないものらしい。そこで来た看護士は、「外来の先生はそう言ったかもしれないが、申し訳ないが主治医の先生の指示で動くことになっているので、形だけでかまわないから歩行具を使って欲しい」とのこと。不安感は無いが、漠然とした不信感が募る。
2005.4.3.入院生活十二日目<2005.4.3.記>
体調も、ずいぶんと回復してきた。少し院内を歩くくらいでは筋肉痛を起こさなくなった。そろそろ階段に挑戦してみたいが、歩行器を使えと言われているので実施できない。明日あたり、主治医に歩行器の必要性について聞いてみよう。
2005.4.4.入院生活十三日目<2005.4.4.記>
ガーゼ交換の時、取ったところを鏡で少し見た。やはり長い。十数cmあるだろうか縦に一本切れ込みがあるところを、テープで横にたくさん留めている。一本の線路にたくさんの枕木が並んでいるような形である。手術後10日、術部からの血などのしみ出しもほとんど見られないため、シャワーが許可される。術部に当てていたガーゼははずされた。また(主治医からも)正式に歩行器無しでよいとの指示がでる。また退院についての話も少し出る。「いつ頃退院したい?」と医師や看護師が聞くので、「階段の上り下りと入浴が心配せずにできるようになったら、早めに」と答える。
2005.4.5.入院生活十四日目 座骨神経痛<2005.4.5.記>
歩行器無しで歩くようになり数日になる。足の感覚などもだいぶ落ち着いて来た。片足ずつつま先立ちしてみると、右足は普通にできる。左足だが、2日ほど前は足に力が入らずに出来ない状態であった。今日も右足ほどには力が入らず、完全に立つところまではいけない。しかし数秒は立つことができた。この調子なら、運動に関してはほぼ元と同じ所まで戻るような気がする。知覚に関しては、残念ながら切除した神経に関わっている(と思われる)左足外側のふくらはぎは無感覚のままだろう。これに関しても「ま、そんなものか」と言った程度の感想で、特段ショックなどはない。それよりもここ数日気になっていたのが、朝の股関節~尾てい骨あたりのうずくような痛みである。うずくような感じなので、我慢できないとかそういった事はないが、朝起きてベッド横に腰掛けると、決まって両足の股関節から尾てい骨のあたりが痛む。しばらくすると収まってくるのだが、この症状が一時的な物なのか、それともずっと続く物なのか気になる。また痛みの原因がはっきりしないと、「もしかしたら一旦はずした骨がずれて神経を圧迫しているのかな?」等、余計な事を考えてしまう。たまたま今日は朝食前に主治医が部屋をまわってきたので、その旨訴える。「神経を圧迫していたもの(腫瘍)がなくなったためか、それとも寝た後なので座骨神経を圧迫したのかわかりませんが、座骨神経痛のようですね。その状況なら、すぐさま何か処置をするということはありません。様子をみましょう。」とのこと。僕の話の情報だけなので、原因の断定などはできないだろうが、少しホッとする。
朝食後、病院2階の売店に行く。特に何かを買うことはないのだが、気分転換にもなるし、入院生活の楽しみの一つである。病室に戻る際、階段で上がってみる。思ったよりもすんなり4階(表示上は5階)にのぼることができた。ただ足よりも、心臓がドキドキして血の巡りが早くなったのがわかる。足の筋力もさることながら、循環器系も弱っているようだ。階段の上り下りも行っていくようにしよう。
昼前、いつもの売店に行くため、エレベータでなく階段を使って降りてみた。思ったよりしっかり降りることができた。何かがぶつかったら転げ落ちてしまいそうな感じもするものの、退院へ向けてまた一歩踏み出した感がある。そのまま行けそうだったので、ほんの少しだが病院の正門玄関を出て外へ出てみた。14日ぶりの外の空気。とても新鮮に感じる。無許可で行っているので気が咎め、すぐ病院に入った。病室へ行くのにエレベータを使おうかと思ったが、せっかくなので4階まで階段で上る。だいぶ息は切れたが、足の方は大丈夫そうだ。
昼食後しばらくしたら、看護師より「リハビリに呼ばれていますよ」と言われる。リハビリの訓練室に行くのは初めてである。今までほっぽらかされていたような気がしていたので、少しホッとする。現在の状態では、背骨の一部を取ってまたはめているので、骨がくっつくまでは背骨を無理に動かすことはできない。そこでコルセットをはめたまま腹筋・背筋を鍛える方法と、しばらく歩いていなかったため弱ってしまったふくらはぎを鍛える方法を教えてもらう。腹筋・背筋を鍛えるのは、要は普通の腹筋運動なのだが、上体を起こしすぎると背骨への力がかかってしまうので、肩胛骨が軽く浮く程度まで持ち上げる運動を行う。持ち上がった上体で数秒停止し、筋肉がふるえだしたら休んで・・・というのを20回ほど繰り返す。慣れてきたら、停止したときの秒数を増やしていくことで調整するそうだ。ふくらはぎの筋力は、手で平行棒などを持ち、つま先立ちを行う事で戻していく。これもつま先立ちの状態で静止し、つかれたら休んで・・・というのを繰り返す。一日の中でちょっと時間が空いたときにやって欲しい、とのことなので、是非とも続けていこうと思う。退院後も続ければ、少しは体を動かすきっかけになるだろう。
2005.4.6. 入院生活十五日目<2005.4.6.記>
朝6時前に目覚め、ベッドの横に腰掛けるとやはり座骨神経痛。寝ている状態ではあまり感じないので、体勢が変わった事による影響か。少々不安になる。しばらくした後、前出の同病だった方からメールが届く。やはり手術後には、同様の症状にしばらく悩まされたと言うことなので、特別なことではない(可能性が高い?)ということで少しホッとする。
午前中、シャワーを浴びた。ほぼ2週間ぶり。とてもさっぱりした。
手術をした背中は、タオルでこすったりせず、シャワーで流すだけにする。大丈夫だとは思うが、やはり化膿が心配だ。体つきであるが、使っていない筋肉は見事に減っている気がする。特に太ももは、後ろ側があきらかにたるんだ。お腹も、元から人に見せられたような状態ではないが、さらにたるんだ。何とかせねば。現在、背骨を曲げる姿勢、特に腰の辺りを曲げるのは禁じられている。コルセットをしているときには曲げたくても曲げられないが、入浴中や就寝時など、はずしている時が不安になる。曲げようとすると突っ張ったような感じがする。どこまでなら曲げていいのかもわからず、とにかく出来る限り曲げないようにする。体を洗うとき、いつもの3倍くらいの時間がかかった。足を洗うにしても、腰を曲げて洗えない。立った状態で片足をイスの上にのせ(病院の浴室には背もたれ付きのプラスチック製のイスがある)、そして洗わなくてはいけない。日常の生活が、いかにたくさんの筋肉を使い、動いていたのかと思う。
夕方、主治医の先生と話する。今週末の土曜、レントゲンと血液検査を行い、問題がなければ日曜日に退院とのこと。ようやく先が見えた。ホッとする。
2005.4.7.入院生活十六日目<2005.4.7.記>
今朝は少し座骨神経痛が和らいだ・・・と思ったが、やはり起きあがった姿勢でしばらくは痛みが強い。昨日から万歩計を使い始めた。昨日は約3500歩。今日はどのくらいまでいくだろうか。
昼食後、リハビリがてらこっそり病院を抜け出て、すぐ横を流れる石神井側沿いへ行く。場所によりサクラがほぼ満開だ。
2005.4.8.入院生活十六日目<2005.4.8.記>
退院(予定)が決まったので、できるだけ普通に近い生活をしようと思う。昨日は一日で4100歩だったが、今日は5000歩を目標に歩こうと思う。
手術後、2回目のシャワーを浴びた。前回よりもスムーズに済んだ。手術した部分がどのようになっているか見たいが、浴室に鏡が無かったので断念。
午前中、病院から川沿いまで歩き、少し近くを散歩してみた。左足の動きもだいぶ元に戻ってきた感じである。歩く分にはほぼ支障は無くなった。ただ少ししびれたような感覚はあるし、うまく力加減できない部分もあり、端から見ると少し引きずっているような感じに見えるらしい。病室への帰り、階段を1段抜かして上ってみた。少し段差の低い階段だったのもあり、思ったよりすんなりできた。ここ数日、日中はパソコンで作業をしたり本を読んだりし、一時間に一回くらい10分ほど院内を歩く生活である。ベッド横に腰掛ける姿勢が多いが、ついつい猫背のようになってしまう(コルセットがあるのでそんなには丸くないが)。背筋(せすじ)を伸ばそうとすると、背中の筋肉にいかにも力を入れているような感じがする。背筋がだいぶ弱っているのだろう。意識して伸ばし、筋力を戻していきたい。
夕方、リハビリ担当の方が来た。だいぶ歩けるようになった話などをする。日常生活で、どこまで動いていいのか聞いてみたところ、「背骨を大きく動かすような動きは厳禁、重い荷物なども持たないように」とのこと。手術によりはずした背骨が中側(神経側)に落ちてしまうのが一番恐い。外にずれてしまっても、それは外側が少し出っ張るだけでかまわない(?)が、内側に行ってしまったら手術で持ち上げるしかないのだそうだ。それは絶対に避けたい。どのくらい立ったら元と同じように考えてよいのか聞いたところ、レントゲンでその都度骨の具合を見、また本人の痛みや疼き等の自覚症状と照らし合わせながら判断していくのだそう。しばらく外来生活が続きそうだ。はずした背骨を留めているくさびのようなものは、どの程度の強度で留めているのか聞いてみた。しかしそれは手術した医師がその時の感覚で知っているだけなのだそうだ。つまりくさびを留めた元の骨の具合やとまり具合や、そう言ったのは手術した人でないと何とも言えないらしい。手術は3月中だったので、主治医はもう替わっている。外来の医師が手術にも立ち会い、今もいるので今度来たときにとまり具合を聞いてみたい。骨以外にも、背中を切り開いたことで筋肉もダメージを受けている。元のようにくっつくまでには、やはり数ヶ月必要なのだそうである。結局の所、程度まではやってよくてダメなのか、具体的には何とも言えないらしい。少しずつ動作する範囲を広げていき、足や背中の痛みがでないか、しびれはないか等に気を配り、異変があるようならやめる。そうやって馴らしていくらしい。日常生活に戻れるとはいえ、しばらくは自重する必要がありそうだ。
2005.4.9.入院生活十七日目、退院手続き<2005.4.9.記>
今日は最後(の予定)の検査の日である。朝5時過ぎ、「採血をお願いします」という看護婦の声で目が覚める。他の病院に入院していたこともある同室の方の話だと、どの病院でも採血は朝のうちに採ることが多いそうだ。ただ6時が起床なのに、それより前というのは初めてだそうである。だいたい週に2回くらいのペースで採血を行った。前回の検査では、特に異常ではないが若干白血球が多いと言われた。今回はどうなのであろうか。
ベッド横に腰掛け、朝食を摂る。今日は座骨神経痛をほとんど感じない。昨日の夕食後、神経に働くノイロトロピンは飲むが、いつもの痛み止めであるロキソニンは飲んでいない。痛みに関してはかなり快方に向かっているようだ。
今日の血液とレントゲンの結果で特に問題がなければ退院とのこと。会計窓口へ行くと、手続き待ちが10人。手続きそのものは5分弱で終わった。支払額は月収一ヶ月分+α程度。本人負担が3割でその位である。領収書を見ると、指導料、入院料、手術料、検査料などがそれぞれ項目別に何点、と記入されている。1点が10円、自分の負担分を3円と計算。入院料がおよそ54000点、手術料が68500点、その他が4000点ほど。入院前に費用の概算を聞いてみたのだが、手術により全然金額がかわるし、盲腸などのようにほぼ手術内容が分かってしまうようなものではないので、全体の見積もりできないと言われた。3週間弱の入院そのものより、手術が一番お金がかかっているし、領収書を見て改めて納得した。
2005.4.10.入院生活十八日目、退院を前に<2005.4.10.記>
いよいよ退院の日。正式には、この後医師がレントゲン写真を見、その上での判断になるのだが、恐らく大丈夫だろう。ひとまずここで入院生活についての日記は区切りをつけ、以降は退院してからの近況などをあげていければと思う。
退院二日目<2005.4.12.記>
日曜日に退院し、今日から職場に復帰しました。しかし駅から学校に行くまでで息が上がってしまいました(^_^;) 入院生活は、色々なところに影響があるようです。一旦はずした背骨の一部がとまるまで、”元通り”とはいかなさそうです。
昨日辺りから、薬は飲まないでいます。左足の方は、じんわりとしびれている感じです。背中は、少しねじった姿勢をすると突っ張ります。ちょっと重い物を持とうとすると、背骨のあたりが少し痛む感じです。ただこれは、入院生活でめっきり背筋が弱ってしまったためのような感じですね。
退院六日目、術後約三週間<2005.4.16.記>
早い物で、退院して明日で一週間になる。日曜に退院した後、火・水と午前中のみ出勤したが、木曜日は少し熱が出て欠勤。金曜日にまた午前のみ出勤。今日(土)と明日(日)を休んだら、来週の月曜から平常通りの出勤に戻せればと思う。手術が終わって退院するまでは、もっとすぐ普通の状態になると思っていた。手術のキズなどで多少の不便があるだろうが、体力そのものまで落ちるとは考えていなかった。しかし少し歩けば疲れ、午前中仕事をしただけで丸一日ハードに過ごした位の疲労感があった。リハビリが大切な訳である。左足の方は、手術後目に見えて症状が軽くなっていったような変化はない。じんわりとしびれた感じがあり、やはりぎこちない。手術をした背中は、すこしずつかさぶたが剥がれかけそうになっているようだ。しかしその中で、背骨の一部がはずれていることには変わりない。まだまだコルセットが手放せない。コルセットをはずした時、少し背骨を動かすだけで少し痛みがある。それははずした背骨と関係あるのか、それとも単にしばらく使っていなかった部分を動かしたための痛みなのか、区別がつかない。下手に動いて背骨がずれては大事(おおごと)なので、安静にしていよう。
手術後約一ヶ月、退院後2週間<2005.4.24.記>
早い物で手術をして約一ヶ月、退院して2週間になりました。切った後、テープで固定していましたが、一週間ほど前より少しずつはがしていき、今日、全部のテープを剥がしました。そこで写真をとってみました。思ったよりきれいですね。まだ当分、寝るとき以外はコルセットをした状態です。寝間着に着替えるときなど、(コルセットをはずした状態で)背中を少し曲げようとすると、背中がつっぱるような感じで少し痛みます。背骨の一部がはずれている状態なので、もちろん曲げてはいけません。そのため痛むのか、それとも一ヶ月ほとんど使っていないので筋肉が痛むのか、それとも切った筋肉が突っ張って痛むのか、その辺の区別は付きませんが・・・。足の方は、しびれる感じもだいぶ収まってきています。神経の興奮を抑える薬(ノイロトロピン)を処方されているのですが、時折飲み忘れても、歩くことは(ちょっとびっこをひきずりますが)支障ありません。コルセットをしなくて良くなる頃(あと数ヶ月?)には、違和感もほとんどなくなるのでしょう・・・か。
現在の状況<2005.5.6.記>
気がつくと手術してからもう一ヶ月と10日ほど経ちました。背中の方は、入浴時も軽くこすって洗える程度までになりました。背中は肉眼で見られないので少し慎重になっていますが、普通にこすっても大丈夫かもしれません。コルセットについては、はずしていいとの指示が出ていないのでまだはめています。背骨を曲げようとすると、突っ張るような感じがありますが、これはしばらく動かしていなかったためか、それとも手術の影響か、区別つきません(両方かもしれませんね)。足への影響ですが、あいかわらず左足が少ししびれているような感じです。しかしその程度は徐々に緩和しています。歩くのは、ほぼ普通にできます。早歩きしようとする辺りから、足の突っ張る感じが強くなり、びっこをひきずるような感じになります。あと数ヶ月した頃、こうした症状が無くなっていればいいのですが・・・。
コルセット、3ヶ月<2005.5.9.記>
本日の午後、退院して2回目の外来に行きました。レントゲンを撮影し、受診。はずした骨がずれている等の問題も何もなく、順調なようです。足の感覚の異常について話をしたところ、手術後の症状は人により様々とのこと。電気が走るように痛む人もいれば、まったく感じない人もいるようです。またこうした知覚異常が起こる原因として、神経というのはオーバーラップしていることが考えられるそうです。知覚神経というのは、同じエリアに例えば何本か張り巡らされていたとすると、全部の神経を取ってしまったら完全に無感覚になるが、残っている神経があるとぼんやりした感じになったり、しびれを感じたり、色々な症状が起こるようです。この後も継続して様子を見ていきましょうとのこと。こうした症状を緩和するため、また一ヶ月、ノイロトロピン(神経の興奮を抑える薬)を継続することになりました。
ただ今日はそれよりもショック?な事が。骨が完全にくっつくまでには3ヶ月以上はかかるのだそうです。ということは、コルセットもあと一ヶ月半くらいはつけていないといけないらしい。そろそろ暑い季節になってきました。蒸れそうです・・・。
近況報告<2005.6.27.記>
退院後、一ヶ月ごとに病院に外来で行っていました。先日行った際のレントゲン結果では、順調に、はずした骨もくっつきつつあるようです。術後も3ヶ月経つので、コルセットをはずしてもよいそうです。ただ重い物を持ったりするときには、しておいた方がいいだろうとのこと。暑い日も続くようになったので、通勤しているときだけはめるようにしたいと思います。
約15年が経過して<2019.10.12.記>
気がつくと術後15年が経過し、アラフィフ近くになりました。
手術後、数年間は1年ごとにMRIで再発していないか確認しましたが、特に異常なく。そして現在、足の突っ張るような感じもほぼなく、知覚も特に異常は感じません。手術痕も、写真のようにほぼ目立たない感じです。
結果として私の場合は手術してよかったと言えます。
コメント