2005.3.24.入院生活二日目朝<2005.3.24.記>

朝はいつもと同じ五時半頃に目が覚める。眠っていたときには全然気がつかなかったが、時折ナースステーションで呼び出し音がなっている。起床時間は六時だが、もう既に起きていて廊下に居る方も数名見かける。入院している病棟は整形外科になるので、足や腕等にギプスをし、車いすに乗っていたり、歩行補助具につかまりながら歩いている方が多い。しばらくすると男性看護士が来て、「今日は検査の関係で朝食以後、水分や食べ物はお控えください」と伝える。朝食はよく噛んでしっかり食べようと思う。

2005.3.24.入院生活二日目夜(修正)<2005.3.24.記>
今日は脊髄造影のレントゲンとCTを行った。朝食後、禁飲食で午後から検査であった。横になった状態で背中を出し、腰のあたりに局所麻酔。この注射が痛かった。次に脊髄に注射をし、髄液を抜いたり造影剤を入れたりしたが、こちらはあまり感じなかった。この注射に当たっては、腰全般をエタノール?か何かで前面を消毒。色々さわられて少しくすぐったい。いよいよレントゲン撮影だが、ふと横を見ると動画が写っている。おそらく微弱なX線を放射しつつ、それを受像したのを連続的に再生しているのだろう。それで姿勢が固まったら撮影を行う。腰のあたりから脊髄に造影剤を入れたため、上に造影剤が回るのを待つ。どうするのかと思っていたら、横になっている台が頭が下になるように傾いた。ずり落ちないように台の横についている手すりにつかまった。数分して動画レントゲン(勝手に銘々)で見てみるが、腫瘍部分より上に造影剤がなかなかいかない模様。腰をゆすったり、さらに10分ほど置いてまた撮影。でもあまり上にいかなかった。腫瘍がかなり大きく、通せんぼしているのだろうか。次にCT。原理は・・・MRIとの区別がつかない。退院したら調べようと思う。機械自体は、MRIが体全体のはいる筒のようなものだとすると、CTは体のとおる輪っかのようなものだった。とおる部分で、体を取り巻くように何かがぐるぐる回っている。受信センサーだろうか。またその周辺がひんやりしている。強い地場を作るのに超伝導状態のコイルが必要になるための液体窒素の冷気だろうか。あれ、それはMRIの話だったか?? やはり勉強が必要だ。そういえば脊髄造影検査中より点滴の管がついたままになった。点滴が一パック終わったあと、針とジョイントの管だけつけたままにし、編み目の大きな伸縮包帯でカバー。これから何回も点滴を行うのには、その都度抜き差しするより便利だ。
17時前、見舞いと手術の説明を聞きに妻と母がくる。妻が、幅10cmほどの細長いゴム製の筋力を鍛えるものを持ってきた。ベッド上の生活、確かに体がなまりそうとは思うものの、いくら何でも筋トレグッズは無理だろう。おそらく手術後は、ベッド上で満足に動くこともできないに違いない。家であまりに体を動かさないから、ここを先途と考えたのだろうか。病室にノートパソコンを持ち込む患者も比較的少ないだろうが、見舞いの品にストレッチャー(筋トレ)を持ってくるのも珍しい・・・と思ったが、リハビリ科があるくらいだから案外あるものなのかもしれない。ううむ、侮り難し。
そうこうするうち、外来の時から診察していただいている先生より明日の手術について詳細な説明。現状は、上から二つ目の腰椎付近に3~5cmほどの腫瘍がある状態で、腫瘍が他の神経を圧迫しており、一番大きくなっているところでは、脊髄の通っている部分の断面の7割程度が腫瘍に占領されており、他の神経が隅に追いやられている状態であるらしい。先ほど撮影したCT画像などを見ながら説明された。腫瘍がなぜできてしまうかは、そのきっかけなどはよくわかっていないらしい。ネットなどで調べてみると、この馬尾神経腫瘍は10万人に1人程度の頻度であるとのこと。つまり東京都で約100人、日本全体で約1200人ということか。多いのか少ないのかよくわからない。先生の話によると、MRIの普及により馬尾神経腫瘍も多く見つかるようになったそうだ。10年前は何ヶ月も予約して撮影するような機械だったらしい。レントゲンでは腫瘍は全く写らないため、僕も最初は「椎間板ヘルニア気味なのでしょう」で済まされていた。他の方も、同じような診断を受けたものの、どうも様子がおかしくMRIで発見というパターンが多いようである。しかしこの腫瘍による痛みはいつもあるのでなく、そのときの体調に左右される面も多い。僕の場合は、天気が悪くなると痛みが強かった気がする。普通の時には、けろっと痛みがないことすらあった。そんな症状から、昔は足の痛みはヒステリーの一種だと考えられてしまい、本人は濡れ衣を着せられていたこともあったそうである。この外来の先生は非常にわかりやすい説明の仕方をしてくれる。実は検査の時、病棟の看護士が検査を行うレントゲン室等までストレッチャー(患者を寝せたまま運ぶベット)を使って僕を運んだが、手続きに必要な何か書類が必要だの必要でないの、頭に帽子をかぶるのかぶらないのといった話を放射線科の技師と話をしていた。その様子で、「おいおい、連携がそんなにあやふやで大丈夫なのか?」と少し疑念を持った。ご存じのように、数日に一回くらいは医療ミスのニュースが出る時代。手術でそんなことがあるととんでもない、と内心は思っていた。しかし外来の時からの先生のきちんとした説明を聞くと、不安が和らいでいく。また今日は、麻酔科、リハビリ、コルセット作成の人などが相次いで来て、説明や測定を行っていった。21時より手術のため、また禁飲食。いよいよ明日だ。早めに寝よう。

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