ボルタ電池、なぜ銅板へ電子は移動するのですか?

ボルタ電池をつくってみて、説明をした時の説明です。「なぜ電子はわざわざ銅板へ移動するのですか?」

塩酸の中に亜鉛板、銅板を入れて作成したボルタ電池です。ー極では、亜鉛が溶け出して亜鉛イオンになっていきます。その時に発生した電子を直接水溶液中の水素イオンに渡すことで気体の水素(分子)が発生します。これは銅板や回路がなくても起こる反応です。小学校でも扱う、酸と金属の反応ですね。ではなぜ、銅板や回路をつなぐとわざわざ銅板に電子が移動するのか、というのが質問の趣旨です。

私もすぐには答えられず、調べました。そうしたところ出てきた要素が「電子移動度」です。ざっくり言えば、電子の渡しやすさ、とでもいいましょうか。溶液中の水素イオンに電子を渡すよりも、導線を伝わって銅板へ移動するほうが電子移動度が格段に大きいのです。一方、銅板はそれ自体は塩酸とは反応しません。結果、銅板は電子を渡す場所として利用できるので、水素イオンへ電子を渡す表面積を広げたのと同じになります。イメージとしては、亜鉛板が電子の生産工場、そこから直送して電子を送り出すだけでは間に合わず、電子を銅板にも一旦輸送し、そこからも出荷している、という感じでしょうか。

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