昔、理科関連のページを収録したCD-ROMがありました。その名も「理科関連HP集」。焼き付けてあるので内容の更新も出来ず、物理的な媒体のため手元に届けるには手渡しや郵送等が必要でした。今から考えれば、「なぜそんなものが必要?」と思われそうです。
インターネット。今でこそ常時接続が当たり前のようになっています。しかし普及し始めた頃はずいぶんと環境が異なりました。インターネットが世間にも広く知られるようになったものの、接続する端末はパソコン、回線は電話を用いた時代でした。電話での接続はダイヤルアップ、と呼んでいました。
接続に電話、と言っても、何をどうするのかピンとこないでしょう。各プロバイダが、接続する先のアクセスポイントを各地に用意していました。例えばA社は東京、大阪、福岡にアクセスポイントがある、という形です。東京のアクセスポイントが03-xxxx-xxxx番という電話番号を持ち、パソコンにその情報を入力すると、パソコンがアクセスポイントに電話をかけてネットにつながる、という仕組みでした。さらに詳細な説明をすると、現在はネットワークにつなぐにはLANを用いることが普通でしょう。電話でつなぐには、物理的にはモデムという機器を用いて電話回線につないでいました。通信の信号を、電話で送るために音声信号に変換する機械でした。FAXを送るとき、一瞬ピーガーという音が聞こえる場合がありますが、モデムを使ったときにも同じような音を聞くことが出来ました。
ただ電話をかけるということは、当然、電話料金が発生します。仮に3分10円だとしても、1時間つなぐだけで、電話代に200円。ネット接続のプロバイダ料金とは別にかかりました。そこでその時代、夜間限定の定額かけ放題のテレホーダイなどというサービスもありました。さらには通信速度も、現在では旧世代のADSLですら最低でも1Mbpsはあるでしょう。電話の時代には最後のあたりで56kbps≓0.056Mbps程度でした。ということは、動画はおろか、少し解像度の高い写真すら、読み込むのにだらだら数分かかる、という状態でした。
さらに学校では、インターネット接続に大問題がありました。モノがないというだけでなく、そもそも学校でパソコンをインターネットに接続するのは御法度だったのです! これは学校も役所も、個人情報やら情報流出防止やらの観点から、「コンピューターを外部回線に接続してはいけない」という条例などがあったのです。今では全く信じられないかもしれませんが・・・。
そうした時代、それでもインターネット上にある理科関連の情報を学校などでの教育に活かしたい。そうした思いから「理科関連HP集」が出来ました。私が理科関連のHPを作成をしている方々に呼びかけをし、MLを立ち上げてその中で議論をし、プロジェクトとしてHP集を完成させました。最終的には100近くのHPを収録、CD-ROMの容量をほぼめいいっぱい使う分量になりました。
以下が理科関連HP集を紹介したWEBのスクリーンショットです。
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