2005.3.30入院生活八日目、テレビの録画<2005.3.30.記>

昨晩は久しぶりに録画しておきたいTV番組があった。NHKプロジェクトX「千年の秘技 たたら製鉄 復活への炎」である。たたら製鉄とは、砂鉄と木炭から、近代的な製鉄よりも純度の高い鉄を得る技術である。宮崎駿の「もののけ姫」で出てきた、といえば分かる方も多いだろうか。女たちが一斉にふいごを踏んでいる、あの場面である。酸素と鉄が結びついた酸化鉄の状態から、木炭を使って酸素をはがす還元の実例として、授業でもぜひ使いたかった。また、技術とは、昔の物より新しい方がすべての面で優れていると一般的には思われていると思う。しかし古くさかろうが非効率的だろうが、長い年月を経て来たものには知恵があるのだ。一旦失われてしまった技術は、そう簡単に復活させることはできない。このたたら製鉄も、最後の生き残りの方がいなければ、遙か昔の弥生時代からの技術であろうが、現代に復活できなかったのかもしれない。そういった技術に対する思いなども、是非とも生徒に見せたかった。昨日妻が見舞いに来たとき、録画をお願いしておけば良かったのだがうっかりしていた。非常手段で、Let’sNOTE(ノートパソコン)で録画することにする。TVチューナーカードと付属ソフトの機能として当然録画もできるのだが、リアルタイムでソフトウェアエンコードを行うにはややCPUのパフォーマンスに心配があり、また内蔵HDDでの録画なので駒落ちが予想される。外付けのHDDでもあればよいのだが・・・。録画を終え、再生してみる。やはり映像がなめらかではない部分がある。こういった時のために、もう少しスペックの高いパソコンが欲しい気もするが、こんな機会も頻繁にあるわけでもないだろう。また家にある外付けHDDを持ってきてもらっておけば、かなりよくなるかもしれない。いろいろと実験してみよう。

初対面<2005.3.30.記>
10時過ぎ、新たな医師が様子を尋ねてきた。足のしびれや痛みはほとんど無く、背中が突っ張ったときに軽く痛む程度と応える。初めて話する医師や看護師などが来て、「様子はどうですか」と聞くとき、少しとまどいを覚える。もちろん看護側では、色々な情報を共有して適切な処置を行っているのだろうが、診察される側としては、果たして今話をしている人は担当医師なのか看護師なのかがまったくわからない。せめて初めての時だけでも、「○○の担当の△△です。具合はいかがですか。」とできないのであろうか。今までにそのようにあいさつしてくれたのは、わずか1人だけであった。入院して部屋に閉じこもっていると、些細なことでも気にしすぎたり、腹が立ったりする。色々な刺激による発散が重要だと感じる。

イソジンの液体石けん<2005.3.30.記>
15時過ぎ、洗髪をしてもらう。今回は自分のベッドへ洗髪台を持ってきてもらうのでなく、車いすで洗髪台のある部屋へ移動して行った。ベッドの上から頭だけ出し、洗髪台の流しに頭を乗せる。流しはプラスチック製なので頭重をかけるのが不安で、力を加えて頭を少し持ち上げていた。しばらくして首が疲れてきて震えてきたのを見てか、「頭を持ち上げなくても大丈夫ですよ」といわれる。少しホッとする。世間話で仕事の話になった。自分が教員であるのはカルテか何かで皆、知っているようだ。理科教員だというと、「やっぱりそうですよね、国語か理科の先生だと思いました。」とのこと。いかにも理科、とはよくいわれるが、国語とは初めて言われた。そういえば若い看護婦は、全般的に何となく幼稚園の先生に近い雰囲気を感じる(悪い意味でない)。これは一般的な感想なのかどうか、機会があったら聞いてみたい。

そういえば病院のトイレの液体石けんがうがい薬のイソジンの色をしている。ただもっとドロッとした液体石けんらしい手触り。本当にイソジンと同じ成分なのかどうか、トイレ内にあったティッシュに少したらして見た。ヨウ素デンプン反応が起き、青紫になった。まごうことなくイソジンに類するものだ。他の病院などでも、このイソジン液体石けんを使っているのだろうか。

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