ユリ科ユリ属 Lilium longiflorum Thunb.
ユリ、といえば真っ先に思い浮かべるこの花。花の構造も大きくて分かりやすく、学校の授業でもよく使われます。学名のLilium longiflorum Thunb.のLiliumはラテン語で”白い花”、longifloumは”長い花”の意味を持っています。
まず花びらを取ってみると、全部で六枚あります。若干大きさや形が違う物が三枚づつ、計六枚あります。花びらをはがすときに、外側にあった三枚が、実はがく片、内側三枚が本当の花びらです。これらを取ると雄しべと雌しべが見られます。
雄しべの先端には、たくさんの花粉を見ることが出来ます。この花粉ですが、洋服などに付くとなかなか色が落ちないので、花屋で咲いた状態で売っている物は、ほとんど葯(雄しべの先端の花粉の付いている部分)は取られてしまっています。雄しべも六本あります。これも取ってしまうと、雌しべが残ります。先端の膨らんでいる部分が、花粉を付ける柱頭です。ネバッとした液がついていて、一度受粉した花粉が取れにくいようになっています。根元の太くなっている部分が、中に種子を作る子房です。
子房を輪切りにしてみたり、縦に割ってみると、胚珠を観察することが出来ます。受粉と受精の後、この小さな粒が種子になります。
上の写真はユリの実。子房が膨らみ、果実になります。中には種子が出来ていました。
ユリの花が変異したり奇形になったものを見かけました。
本来花弁とがく片が3枚ずつ、計6枚あるはずなのに、4枚になっているもの。また5枚になり、一部おしべ・やくがくっついてしまったものです。正常な6枚のものと見比べてみてください。
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