ムラサキツユクサの花、気孔

ツユクサ科ムラサキツユクサ属 Tradescantia reflexa Raf.

北アメリカ東部原産のこの植物は、その辺の道ばたや線路脇など、あちこちで見かけます。また、気孔や細胞の分裂や原形質流動の観察によく用いられるため、理科の先生にはなじみの深い植物です。ツユクサ科で他に有名なものには、ヤブミョウガ、ツユクサ(以上野生種)、ムラサキゴテン、ゼブリナ(以上園芸種)などがあります。
花を裏からみると、がく片もわかります。それらを取り去り、雄しべと雌しべだけにして、それぞれを観察しました。同じツユクサ科のツユクサなどは、同じく六本ある雄しべのうち二本しか花粉ができず、残りの四本は飾りのようになっています(仮性雄ずい)。しかし、ムラサキツユクサは全部花粉を作る能力を持っています。雄しべのまわりにたくさんの毛が生えているのが見えます。この毛が、有糸分裂(細胞分裂)の観察によく使われます。雌しべを見ると、その根元に子房があるのが分かります。断面では、胚珠も分かります。花粉は、ユリに似た細長い形をしています。

葉の裏の表皮は剥ぎやすく、顕微鏡で見ると気孔が観察しやすいです。中学校理科では定番の観察です。また紫の花以外にも、白や桃色もあります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました