トロロアオイの花

アオイ科トロロアオイ属 Abelmoschus manihot

ハイビスカスをはじめとしてフヨウにオクラ、ムクゲ。これらの花の形は非常によく似ていますよね。この花の仲間がアオイ科です。トロロアオイも、実にオクラによく似た花を咲かせます。トロロアオイという名は、茎を折ったときに出る汁が、まるでとろろのようにネバッと延びるところからつけられたようです。和紙を作るときの糊にも使われ、そのため全国各地でも栽培されました。原産は中国です。

この花の特徴は、長い雌しべの花柱を雄しべが囲んでいること、そして雌しべの先が五つに分かれている所です。花びらを取ると、雄しべも一緒にとれます。五枚の花びらそれぞれに雄しべがついていて、それが花柱を囲んでいたわけです。雄しべを拡大すると、雄しべと花びらのついているようすがよくわかります。このように、雄しべがくっついて一つになっている物を、単体雄ずいといいます。

雄しべの拡大。花粉がたくさんついています。柱頭根元の膨らんでいる部分が子房です。がく片が六枚ある様子もよくわかります。花びらは五枚しかないように見えますが、実は開花前につぼみ全体を保護するのに一枚使っていて(開花時に落ちてしまう)、合計は六枚あります。柱頭は五つに分かれています。

子房の断面を見ると、胚珠が見えます。これらが種子になるわけですね。花粉は棘のある形をしています

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