呼吸減らせば温暖化防止?

中学3年生、自然と人間(環境単元)で炭素の循環を学習した後の質問です。
「呼吸を減らせば、温暖化防止に役立ちますか?」「分解者が少なくなれば、温暖化を遅らせられませんか?」

生徒の中では、
1 温暖化の原因は二酸化炭素であり、減らせば温暖化が防げる
2 呼吸をすれば、二酸化炭素が発生する
3 呼吸を減らせば発生する二酸化炭素が減り、温暖化防止になる
という考えがあったようです。

確かに上記1、2の一つ一つはおおむね正しいでしょう。ただ3にはほぼ結びつかないと考えられます。そこには、中学校ではほぼ扱わない炭素の量の問題が大きいと思います。
まず始めに押さえておきたい事としては、炭素は生態系の中を循環している限りにおいては、排出と吸収がほぼつり合っているということです。ということは、どうにかして呼吸を減らしても意味がない、ということです。

また、分解者が少なくなれば、という質問についてですが、これについては以下のような話をしました。そもそも地球が出来てすぐの時、地球の大気中には今と比較にならないくらい多くの二酸化炭素があったということです。それがなぜ今は0.04%まで減ったか。それは珊瑚などの炭酸カルシウムや原油や石炭等、有機物などとして海中・土壌中に炭素が取り込まれたからです。なぜ現在、二酸化炭素濃度が上昇しているかと言えば、そうして固定されていた炭素を燃料として燃やすことなどで大気中に放出しているからです。ということは、生態系の働きで循環している炭素が問題なのではなくて、新たに放出している分を減らすなり、吸収の働きを増やすことが解決策だという事になります。(そもそも分解者の量を減らしたら、生態系への大きな影響があるでしょう)

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