サクラ(染井吉野)の花

バラ科サクラ属 Cerasus yedoensis

日本を代表する花といえば、サクラですね。バラ科に属する花です。バラ科には他にも、アンズ、ウメ、モモ、バラ、イチゴ、ボケ、リンゴ、ハナカイドウなどの植物が属しています。中でもウメ、モモ、アンズなどは同じサクラ属で、花の形も類似点が多いです。サクラは、自然状態でも種間交雑種が生じやすく、さらに園芸種では野生種との交雑も行われています。あれだけの多彩な”品種”は、一つの種でなく複数種の交雑を基盤として成り立っているわけです。ここでは、サクラの中でも代表的なソメイヨシノを見ていきます。5枚の花弁(花びら)がついていて、その中間にがく片がついています。花の中心部を拡大すると、多数のおしべと一つのめしべがあるのがわかります。おしべのうち、中心に近いものよりも外側のほうが長くなっています。めしべの先には柱頭があり、一度ついた花粉が飛ばないようにベトベトした感じになっています。おしべの先には、葯(やく)という花粉の袋があります。成熟していない葯は、表面に花粉がついていません。

めしべの根元で少しだけ膨らんでいるところが子房です。二つ胚珠があります。ただ、ソメイヨシノの場合は雑種のため実が出来ることが少ないです。また、仮に結実(実が出来ること)しても、二つの胚珠のうち一つしか種子へと成熟しません。これはサクラ属の共通の特徴です。花弁(花びら)は、先端がかすかに二つに分かれ、根元は極端に細くなって花爪(かそう)と呼ばれる形になっています。最後は花粉です。

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